訪韓報告:壱 山口ユウリ

三月十六日 金曜日

 今日は朝の五時に起きました。その日は朝から雨だったのですが、そんなに寒くはなかったです。バスに揺られて空港に着くと、さすが関西が誇る国際空港、国籍問わず多くの人で賑わっていました。
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 集合時間の九時になりました。十人と少しの学生は皆遂に日本を飛び立つ事にワクワクしているようでした。私は荒川先生の荷物の少なさに驚きました。どうやら旅を極める秘訣、其の一は「荷物を少なくする」ということにあるようです。
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 二時間のフライトを終えて降り立ったのは韓国の仁川空港。空は碧く透き通り、雲は申し訳程度にちょこんと添えられていました。
 入国審査を終えて出てきた空港ロビー。平昌五輪のキャラクターが出迎えてくれました。
 空港鉄道の駅に向かう途中、可愛いロボットと出会いました。きっと空港を案内してくれるロボットなのでしょう。軍服を着た兵隊さんや、防弾チョッキを着て銃を抱えた人もいました。
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 電車に揺られて一時間。ソウルのホテルに着きました。綺麗なホテルでおおよそ日本とあまり変わらないと思いました。
 ホテルの部屋に荷物を置いてから私たちはソウルの街へと繰り出しました。
 やはり都市部では日本語が多いようです。ほとんどがハングルですが、日本語表記の看板も幾らか見つけられました。
 韓国のセブン・イレブンやスターバックスを見つけては写真を撮ります。
 散策しているとよく人とぶつかってしまうのです。韓国は右側通行だから、左側通行の私たちは地下鉄の階段などでよく逆走してしまうのです。日頃の生活習慣がここでも現れるとは面白き事なり。
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 日も暮れてきて、街の灯りが燈りだす頃にはお腹がぺこぺこになっていました。そう云えば私たちはお昼ご飯を食べていなかったのです。
 荒川先生お薦めのお店は人が多すぎて入れず、少し歩いてスターバックスの隣の建物に入りました。階段を上がって二階へ行くと、これまた小綺麗な店内でした。御品書きも日本語が併記されていて、辛いものが苦手な私でも間違って激辛料理を頼むことはなさそうです。
 注文するとまず、蓋のついた銀色の器と真っ赤なキムチ、鮮やかな黄色い沢庵が出てきました。辛いものが苦手でも、韓国の代名詞といえようキムチを食さぬとはこれ如何に。私は銀の箸で白菜のキムチを掴み、口の中へ放り込みました。しばらくは何も感じなかったのに、噛んでいるうちに辛さが増していき、飲み込んだ時には口の中がヒリヒリしていました。水を飲み、ご飯をいくらか掻き込むと痛みは消えました。これは食べられないものではないですが、好んで食べようとは思いませんでした。
 口直しに沢庵を一切れ食べると、仄かな甘さが口の中に広がりました。荒川先生曰く「韓国の沢庵は甘い」らしいのです。私は料理が出てくるまで沢庵をぼりぼりしていました。
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 昼夜兼用食のキノコとクリームの甘いオムライスを食べて、外に出ると日はとっぷり沈んでしまっていました。
 再び街に繰り出すと、そこはまるで神戸の夜景と変わらぬ姿でした。
 昔の王宮や地下鉄に乗って少し遠くの夜市にも行きました。
 地下鉄に乗ると、大量のガスマスクが保管されていました。何でも昔、韓国の地下鉄で火事があり、大惨事となったらしいのです。
更に、韓国の地下鉄は地下深くを走っています。駅の案内板を見ても地上に出るために階段をたくさん上らないといけないのです。これも有事の際は地下鉄が防空壕やシェルターの役割を果たす為なんだそうです。
なんだか少しずつ韓国の歴史に触れていっているような気がしました。
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ホテルに着いたのは十時過ぎ。一日で結構歩きました。やっぱり革靴で歩くのはしんどかったなあ。
韓国ではユニットバスが普通なようで、このホテルも例外ではありませんでした。私含め三人で順番にお風呂に入り、明日に備えて布団にもぐりました。本当は大浴場に生きたかったのですが、そのためには部屋のカードキーが必要だったので行けませんでした。
最後の一人がお風呂から上がるころには私は夢の中でした。
 

コメント

  1. 今はドイツで頑張っていることと思います。君の知的好奇心が韓国でも爆発して行動に結びついたように、今はドイツで様々なことに興味をもって活動しているのかと非常に気になっています。
    大いに成長していってください。

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