E1736 前野聖太 報告書

 今回、私たちは大きく分けて3つの町に訪れた。ソウル、チョンジュ、プサン。この報告書ではその3つの町に要点を絞ろうと思う。

 まず訪れたのがソウル。一言で、せわしない町。ここがどこよりも賑やかな町だった。
 発展した時代の問題か、近代的なビル群が立ち並ぶソウル。でも、そんな中でも屋台は出ていて、街と共生していました。なんというか、街全体が生き物のような。車は走り、高いビルがそびえ、街はキラキラと光っている中で、屋台が大量にあることのアンバランスさに、何とも言えない良さがあった。
 さらに言うと、都市の街並みを抜けると急に偉人の石像や歴史的な建造物が姿を現す。いろいろなものを取り込み、巻き込みながら急速に発展していった都市であるように感じた。

屋台で買ったトッポギ
美味しいけど、想像以上に辛い。
韓国で赤い食べ物を買うときは覚悟が必要です
あと、少し観光地を離れると急に古びた小さな店がひしめき合っているのも面白かった。実はその辺りのご飯の方が安くておいしいんだとか。

流石、本社がある国なだけはある









街の中に現れる、”ハングルを作った男”世宗大王


 次に訪れたのが、全州(チョンジュ)。こちらは韓国の昔ながらの風景が特区として残されている町。例えるなら京都だろうか。歴史的な建造物を残しながら、しっかりと観光地として機能していた。ソウルとは違い、こちらは歴史的建造物が主体になっているような、そんな気がした。



「コンビニより教会が多い」と言われるほど、韓国ではキリスト教が信仰されている。左の写真はカトリック教会だが、割合としてはプロテスタントの方が多いんだとか。国の境遇と照らし合わせると、確かにプロテスタントは支持されそうではある。
 ちなみに、儒教はというと、習慣や作法に根付いているだけで、信仰している人自体はそんなに多くないらしい。


 また、チョンジュにも屋台街があり、心なしかこちらの方がソウルよりも人が温かかった。なにより、屋台の人との距離が近い。並んでいる人との距離も近い。並んでいるときに「日本に行った」というカップルから声をかけられたりもした。末永くお幸せに。


 


 あと、雨が多かったので、町の様子に『ブレードランナー』を感じていました。ネオンの明かりがサイバーパンク感を漂わせる。


 そして最後に訪れたのがプサン。ここもまた上記の二つとは違った。観光都市、と言うと乱暴だが、観光地、ショッピングの場所は本当に計算して作りこまれていた。道路はくねくねと緩やかにカーブを描いているので、通れこそすれスピードは出ない。人の流れも車の流れも妨げない、素晴らしい作りだった。石畳も可愛い。
 また、少し離れると市場がある(ここもまた屋台街。本当に屋台が多い)。最近だと映画『ブラックパンサー』でも登場していたような。ただ、カーチェイスは不可能なほど人は多いし道は狭かったのだけど。





←ホットクというお菓子。揚げた小麦粉の記事にナッツやメープルが入ってる。ソウルで食べたらシナモンが入っていた。地域差がある?

画像を見てもらえばわかるように、美味しい。

→プサンの魚市場。ほぼ野ざらし。というか、屋台ってだいたいそう。
この時の昼食はタイのお刺身と焼き魚だった。本当に美味。



 以上3つの町を経て、私が思ったのは、「発展は取捨選択だ」ということ。
 例えば、韓国の町は下水インフラを十分に整えないまま発展したためにトイレットペーパーは流せないところが多いし、マンホール付近は臭い。でも、それを取らなかったからこそ今の発展がある。公共交通機関の電子マネー化は、正直日本よりも進んでいるほどだ。
 他にも、高齢者への社会福祉に手が回っていない反面、大学の設備は本当に整っている。この報告書では触れなかったが、交流をした全北大学の図書館は、明石高専の図書館とは比べ物にならないほどの規模と蔵書とシステムだった。

 日本と韓国、結局は良し悪しだ。だからこそ、お隣さんである両国が協力していけば、更なる飛躍があるはずだ。

 現在、仲がいいとは言えない日韓の関係だが、今回のスタディツアーで、それはあくまで”政治”の話でしかないように思った。

 それを最も感じたのは、チョンジュの屋台でアイスを買ったとき。英語で「韓国語は話せません、私は日本人です」と伝えると、店員さんは驚いたようにうなずき、スマートフォンを他の店員といじり始めた。すると、アイスを手渡しながら日本語で「ありがとうございます」と言ってくれたのだ。
 もしかすると、すべての外国人にしているのかも知れない。けれど、私はその心遣いに「日本と韓国は仲良くやっていける」という確信を抱いた。涙が出た。


 だから、私にできることはこうして韓国のことを紹介して、少しでも多くの人に興味を持ってもらい、悪いイメージを払拭することだ。

この記事を読んだ貴方が少しでも韓国のことを気になり、知りたいと思ったなら、この韓国スタディツアーほどいい機会は無いと思う。

コメント

  1. ずっと前にコメントした気になっていました。遅くなり、ごめんなさい。君の「涙が出た」のくだりにぐっときます。君のような草の根の大使がたくさん生まれていけば、新しい時代はきっとくると信じています。今年も明石から8名、北九州かは9名の学生が一緒に旅をしています。少しずつ種を蒔いて、いつかは素晴らしい森になることを念じて、今日も韓国におります。

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